尺アマゴ

2006年5月14日  天気 :小雨のち曇り

メンバー:かっちゃん単独釣行


 ゴールデンウイークは不発に終わり、地元では好漁の便りが飛び交っていた。連休は混みあうと予想して釣行を断念したものの、「一回くらい行っておけばよかったなぁ・・・」なんて、今ごろ後悔していたのだった。
 連休明けから東海地方では梅雨のような天候が続いている。仕事で通りかかる安倍川の水量は良い感じである。「これは何が何でも行くしかない!」メンバーは用事で都合が合わなかったので、私一人で行って良い思いをする計算だ。前にもこんなこと言ったような気がする(^^;)
 まずは釣り場の選択です。南アルプスは遠く、一人でいく勇気はないし・・近くの里川ではチビアマゴかアブラハヤのオンパレードに終わってしまいそうだし・・・。結局は迷ったあげく、いつものH沢に行くことにした。





 アラームを4:00にセット。しかしまだアラームの鳴る前に起きてしまった。いつもなら「眠い・・一人だし行くのやめちゃおうかな」と、悪魔の囁きが聞こえてくるのだが、今回は何か行く気満々で気合がはいっていた。

 川沿いを走っているとだんだん明るくなってきた。本流の流れは早く、濁っているようだ。
 支流の林道に入ると間もなく大きな落石があり、どけようと車を降りてふと気づいた。「ここは蛭っ沢だっけ!」慌てて車に戻り蛭避けスーツに着替えた。途中いくつもの落石をどけるのに車外に出るが、蛭一匹いない。絶滅したのだろうか?
  車止めに着きさっそく沢を覗いてみると、ささ濁りの今までにない良い感じです。先月よりも緑は深まり、この時期咲き乱れる藤の花がとても綺麗で季節を感じる。
 沢床に降りてみると上から見たよりも更に流れは速く、軽いオモリではすぐに流されて浮いてしまう。鮎のころがし釣りで使うようなバカでかいオモリに変えて、ドッスン・ドッスン攻める。
 まもなく雨もやみ、いつもよりじっくりとゆっくり攻めてみると流れの際から放流物かと思われる銀の濃い7寸ほどのアマゴが釣れた。
 さて、いつも大物の釣れるポイントにきた。淵の下からだと攻めづらそうだったので、淵の上から仕掛けを垂らし流してみる。デカオモリでもあっという間に流されてしまう。反応がないままもう一度流してみると「コンコン」大物らしいアタリだ。
 よーく食い込ませ「ピシッ」っと軽く合せると「グイーン」下りだした!大物特有の抵抗である。竿を立てて止めようにも止まらずのされてしまう。ハリスは0.4号、イワナの時よりも細い糸を使っているので竿でためるのは限界と判断し、沢を架け下りヤツよりも先手をとった。川虫採りにしか使ったことがないタモ網を構えてヤツの流れてくるのを待っていると、3mほど前で姿が見えた。「デカイ!」私が今まで見たなかではこの上ない大きさ。流れに任せてそっとヤツは網に入った。
 網に納まったアマゴは鼻と顎はしゃくれ、尖っていてまるで鮭のような面構えの雄アマゴであった。見るからに尺はあると確信してメジャーをあててみた。「やったー、尺アマゴだ!」鼻先から尾の先まで計測すると32センチであった。


 長かった・・・。渓流釣りを始めてはや15年、追い続けた尺越えをここでやっと達成した。今年初釣行でスズキ君が釣った鳴き尺アマゴを目の前で見て以来、ここにはもっとでかいのが居ると確信してた。 湖や大きな川では普通に釣れるサイズかもしれないが、こんな小さな沢で尺が釣れたことがうれしいのであった。
 
 動揺し震える手で何枚も写真を撮り、「次はもっとでかくなって俺に釣られてくれ」と、惜しい気はしたが、そっと流れに戻した。その時、なぜかアマゴのパーマークが藤色に染まって見えたのだった。


 興奮冷めぬまま釣りを続けるが、それから先は掛かる魚に手ごたえを感じると、みんな尺アマゴの手ごたえと錯覚してしまう。まだ釣り始めたばかりなのに、もう満足感いっぱいであとの釣りはどうでもいい感じになってしまった。
気をとり直し、時間いっぱいまで釣り上がることにした。
 本流筋に入ってみると、またまた養殖物っぽい銀毛アマゴが釣れてきた。南アのニッコウイワナではないが、この沢のアマゴも純血アマゴから虹鱒との混血のニジゴになりつつあるのかもしれない。
 尺アマゴを釣らせてくれたこの恵みの沢に感謝し、竿を畳んだ。
 釣りに夢中になって後で気づいたが結局蛭は一匹も見ることが無かった。この蛭ってなんの役にたっているのだろうか!?頼むからもうこのまま絶滅してくれ!



 

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