蛭刺されにキンカン♪

2006年7月16,17日  天気 :【一日目、時々曇り 二日目、大雨

メンバー:【大原さん,かっちゃん】


 梅雨も明けるこの頃になると暑さを避けて涼しい渓泊釣りがいとおしくなるものです。これも自分の身勝手ではありますが無理を言って大原さんに今年初渓泊の話を持ちかけてみると、そのわがままに 「いいよ、行こうよ!」 と大原さんが今年初めての渓泊まりに心良くお付き合いしてくれました。 私自身2人での渓泊は初めてで行く前は不安でしたが、そこは山の達人大原さん心配無用でした。歳は離れていても共通の趣味をもっていれば歳の差なんて関係ない、そして誘ってくれてありがとうと言ってくれた大原さんに感謝したいと思います。



 今年も目指すはヤマトイワナの棲む大井川上流です。毎度と同じように前夜から車を走らせ現地に向かった。途中いつもになく何頭ものキツネや野ウサギ、鹿などの野生動物に出会った。道中は長いので、元ハンターであった大原さんに狩猟期にキジや猪を撃って解体処理をする話などを聞かせてもらった。撃ち仕留めたばかりの猪のレバ刺しは最高だという・・・。しかし私は魚の腹ワタはためらいなくできるが野生動物の腹を裂き、臓物を取り出し刺身で食べることなどはどうしても出来そうにないと思ってしまった・・・。話に盛りあがりいつもよりも早く着いた気がする。

 

        下流は増水して濁りぎみでした


 

     今回のテン場は雨に備えて屋根着き
 車止に着き車中で仮眠し、朝目を覚ますと雨が降っていた。下界の天気予報では曇りだったが、山の天気は変わりやすく降られることは覚悟していたので支度を済ませて予定どうり渓泊は決行することにした。

 予定しているテン場まではひたすら歩く。降りしきる雨水がザックに染み込み、重さが増していく。しかも今回は2人の釣行なので荷物の持ち分が1.5倍増しなのだ。いや、2倍以上である。年増の大原さんに持たせるわけにもいかず、20キロ近い荷物を担いだ。早くも行き道から膝と腰に負担がのしかかった。
 比較的雨のかからない場所を見つけてテン場を設置。夜の奏に備えてブルーシートで屋根も設置して準備万端です。
 釣り道具と食料を持って入渓点へ向かって行くと、丘の上に要塞のごとく馬鹿でかいテントが張られているではないか!先客である。6人の釣り師達がいたが話してみると前日から来ていたようで、今日は下流を少しやって帰るという。 「ある程度上流まで釣り飛ばしてくれれば入ってくれてもいい」 ということでお言葉にあまえて○○滝から上を釣る条件で入渓させてもらった。ここからは釣りをせずに沢を上がって行くのだが好ポイントを横目に素通りはたまらなくつらい。
 獣道を進むと古いテン場らしき跡を発見した。釣り人が捨てていったゴミでしょう。こういうことをする人達がいるから釣り人の印象が悪くなってしまう。どんな小さなゴミでも持ち帰ってもらいたいものです。
 1時間半ほど釣り飛ばしてようやく約束したポイントに到着。これほど焦らされて釣り始めたことなど初めてだろう。私は餌釣りやテンカラは少し飽きたので今回はルアーを用意してきた。大原さんには私の作ったへんてこ毛バリを渡して釣り始める。大原さんに先に瀬をテンカラで攻めてもらい、その後私が上からルアーで攻めてみる。


ゴミは持ち帰ろう!

 ルアーを引くと追ってくる大きな影が!しかし手前で引き返してしまう。何度かやってもまた引き返してしまいなかなかフッキングしないのだ。そこで攻め方を変えて流芯の白く泡立っている所を引いてみると 「ガツン!グウ〜ン!」「キター!」かなりの重みで竿がしなった。「これはでかいぞ! 」 しかしそのあと 「シュルリ〜ン」 と、いとも簡単に20センチほどのイワナが上がってきた。流れに乗っていたので重く、でかく感じたようである。小さくてもよくみると白点のまったくない純血ヤマトイワナで大満足でした。
 


   小さいけど初めてルアーで釣った
   純血ヤマトイワナでした。
 その後は川幅も狭くなりルアーでは難しくなってきたので私も得意のチョウチンテンカラに変えることにした。先行していた大原さんに追いつくとなにやらうずくまって写真を撮っている。そう、大原さんもまた綺麗な景色と魚の写真を撮りたくて1000万画素のデジカメを新調していた。
 大原さんは年に一度渓泊まりの時だけしか渓流釣りをすることがないが、もう今年で6年目ということで慣れた竿さばきでビシバシイワナを釣りまくっている。「天気が心配だったけどここまで来れてよかった。気が済んだよ」 と釣りの方はもう満足してくれたようです。今年で56歳になるというが年々若返り、パワーアップしているすごい人だ。
 
 大原さんの初めて撮っ
 たヤマトイワナの写真
 テンカラに変えてからはここまで上流に来ると淵という淵でイワナが出る。釣り上がる魚をその都度確認するが半分は白点交じりのニッコウ系のイワナだった。ヤマトイワナは流れにもどし、ニッコウは今晩のツマミに魚篭に入れた。しかしここまで上流までニッコウが居るとは思わなく、少しがっかりした。そろそろテン場に戻ろうかと思うと 「ボコン」 少し大きめの魚影がよぎった!「ガツン!」 釣り上がったのは型こそ9寸ほどだが黄金に輝く雄のヤマトイワナだった。
 私は今までイワナを釣っても、ニッコウとヤマトを比較して見ることはなかった。ただ「イワナが釣れた」感覚だった。しかし今年になって改めて違いを見てみようと意識するようになった。実際見比べて見ると全然違っていた。ヒレは白やオレンジで縁取り、体色は黄金に輝き一際美しい。古来より姿を変えず、流されず生き続けるまさに大和撫子と言ったところだろう。この美しいヤマトイワナを初めて守っていかなくてはならないと実感した。 
 時間を忘れて釣りをしていたらもう下らなくてはならない時間になっていた。釣り飛ばした長い区間をひたすら下り、明るいうちにテン場に戻った。
 テン場に戻ると、さすがの大原さんも疲れたらしく 「今晩のおかずはいらないよ。ラーメンだけでいいよ」 と言い出し弱音をはいた。それでもせっかくここまで来たしと、私は焚き火をし、岩魚の塩焼きだけでも食べたくて持ってきた鉄網を取り出し雨のやんでいる隙に火をおこした。多少時間は掛かったが放火魔の私には問題ない(-_☆)。今晩のおかず(酒のツマミ)用にキープしてきたニッコウ岩魚を焼いていると、弱っていた大原さんもイワナの焼けるイイ匂いに引き寄せられてきて 「やっぱうまそうだからいただくかな」 とにおいに釣られてきた。こんがりと飴色に焼け、良く燻されたところで大原さんに渡すと、「やっぱうまいなぁ! うまい、うまいよ!」 と何度も連呼して舌鼓をうった。酒には弱い大原さんがいよいよ用意してきた日本酒のカップをチュー、チュー飲みだした 「カアー!うまい! 」 このあと大原さんは飲めない酒を全部飲みほした。「今日は飲めるよ!全然効かないよ 」しかししばらくしてテントにもぐり込み 「やっぱ冷や酒は効くなぁ・・」 二度とテントから出てくることはなかった・・・。今回の釣行は予定どうりにいかなかったのでどっと疲れて、私もかるくビールと焼酎を飲んで、後を追うようにテントの中に消えた。
 「ビュー、ザザー、ゴーー!」 夜中に目を覚ますと風と雨がすごい!まるで台風のようでテントが変形して壊れてしまいそうなほどだ。大原さんも目を覚まし、「朝もこんなんだったら山を降りよう」 眠れぬ夜を過ごした。
 それでもうとうと少しは寝られた。明るくなってもまだ外は吹き荒れている。「大原さん、やばいよ、降りよう!」 軽くテントの中でパンをかじって朝食を済ませてテントをたたみ下山する。車止めまでは2時間以上はかかる。沢はみるみる濁って増水している。もう沢を渡る個所はないのでよかったが、一足遅れていたら沢を渡れず遭難していただろう。下る途中釣り人に出会ったがこんな大雨の中でも釣り人がいるとは驚いた。
 林道の終盤に差し掛かったころ大原さんが後ろにいない!何かあったのか!?雨の音で後を歩いている足音が聞こえない。少し戻ってみると岸壁に咲く山野草を採っていた・・。そう、大原さんは山野草にも詳しいのだ。下界に持って帰ればすぐに枯れてしまうのがほとんどだそうだが、ついつい手が伸びてこいでしまうそうです。
 「そのうち、かっちゃんも今に山野草の面白さがわかってくるよ、今は魚を釣ることしかみえていないと思うけどね 」 という。まだ私にはよくわからないが綺麗というのは感じるし何時かそうなるのかなぁ。
 車までたどり着くころにはもう本流は来た時の面影はなく、激流と化していた。無事にここまで帰って来れて本当によかった。車内でズブ濡れになった服を着替え、土砂崩れの心配のない所まで急いで下った。
 やがて舗装路に差しかかり安心したところで道端に咲く草や花のことを大原さんに教えてもらった。
  大原さんの山野草講座 
   

   ヤマユリの一種でクルマユリ。普通のユリよりも
   標高の高い所に咲くようです。綺麗なオレンジ色
   でした。

    

   ホタルブクロ。どこの山でも群生してみられるが
   高い所にいくほど紫色が濃くなるそうです。

 

  ヤマユリ。手のひらを広げたくらいの大きさで、独特
  の香りを放つ。球根は食用可能で、ジャガイモのよう
  な食味だがうまいものではない。

  

  撫子(なでしこ)の一種。道端にピンクの蛍光色に咲
  く一際綺麗な花。花びらの縁がこまかく切れ込んでい
  るのが特徴。

 結果楽しい渓泊となりましたがこの後雨が降り続き、この地では土砂崩れや遭難騒動が起きた。早期に判断し山を降りてよかった。今後の天気をよく見極めてから釣行しなくてはならないと思った。
 大原さんお付き合いしてくれてありがとう。また行きましょう!



 

 

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