エメラルドグリーン

 2007年5月26日  天気:【晴れ


メンバー:【ノリさん,かっちゃん】



 先週の釣りから1週間、また渓流釣りに出かけてしまいました。予定ではノリさんお気に入りの沢に行くつもりでしたが、前日降り続いた雨で増水して渡行は困難とみて近場の小沢へ行くことにしました。近場の小沢と言えども増水すればもちろん大物にも出会えるチャンスはあるのです。そこで、増水すると岩魚の釣れる沢に出撃です。


イイ水量だね〜  ニッコウ系岩魚 25cm
 3時に集合して、釣り場近くに来る頃にはもう明るくなっている。夏至まで約1ヶ月、日が昇るのが早いですね〜。
 釣り場に着くとまずまずの水量で、うっすら濁りも入っていて期待出来そうです。濁っている時はミミズってことで、チョン掛けにして流してみる。「ミミズ餌でイイ釣りしたことがないんだよなぁ〜」というノリさんも、今回ばかりはこんな条件だからとミミズで挑戦してみます。
 水流も強く速く、ちょっとした落ち込みでも白く泡立ちポイントが少なく感じる。その泡の脇をグルグルと回しながら流すと「ゴツゴツ!」送り込んで合わせると、釣れてきたのは小さな岩魚でした。先週もこの沢に来たノリさんですが、アマゴのみで岩魚は釣れなかったそうです。増水すると何故か岩魚が釣れる噂は本当のようです。そしてノリさんにもアタリが!チビアマゴでした。かと言って岩魚ばかりでもないようです。少し釣り上がったところで、僕の竿にそこそこの手ごたえが!良型25センチの岩魚でした。ここの岩魚は白点が大きく、体色は紫がかったアメマス系の岩魚のようです。
キープあまご  釣ったよ〜ん♪
  好ポイントの連続の中、チビアマゴに混じってなんとかキープサイズもたまに顔を出すようになりました。この沢は沢沿いに林道が走っているので、たとえ胸まで浸かる深場に遭遇しても泳いだり、高巻きせずに遡行出来るのが軟弱者の僕にとっては実にありがたい。
 そんな深場が現れたので、ノリさんと一度林道に上がる。林道から沢床の様子を見ながら行くノリさんが立ち止まった。


  ノリさん:「んーっ?ういーっ!?あそこにデカイのがいるよー!!」  
                「ほら、あそこぉー!」

          僕:「うおーーっ!馬鹿デカイじゃん! 」
 
 僕の目線から7メートルほどあるが、それでもかなりデカく見えるのだ。なんでこんなデカイのがこんな小さい沢に居るのかはさておき、ダメもとで隊長の僕はノリさんにヤツをまずは掛けるように指令した。
 ヤツは淵の落ち込んだ泡と開き(瀬)との間を悠然と泳いでいる。沢床に降りるとヤツに気づかれてしまいそうなので、ノリさんは林道の少し下の岩の上から竿を出して、ヤツの鼻っ面めがけて餌をそっと流した。だが、ヤツは餌に目もくれず左右へゆうらゆらと泳いでいる…。 


        「やっぱ、見えてる魚は餌食わないかな〜」


 ダメだと諦めかけた時、ノリさんは平然とした顔で、「掛かった、上がんない…」 僕はあまりのノリさんの冷静な口調に 「えっ?マジで?」 と思ったが、竿を見れば満月にひん曲がっているではないか!大きさからして抜き上げることなどはまず無理と察知して、僕は普段ではビビってとても降りれないようなガレを滑り降り、タモ入れを買って出る。
 沢床へ降りてみると、まだ全然ヤツの姿は全く見えない。でも竿を見ると「グッグゥ〜」と絞り込み、必死な抵抗を見せている。 「ハリスは何号?」 とノリさんに聞いてみると


            ノリさん:「0.3号だったかな〜?」…

           僕:「ちょっ、それやばいっしょ〜!」


 ヤツの大きさが0.3号ハリスの許容範囲を越えているが、でもこっちは2人での連携プレイ、負ける訳にはいかない!いや、獲ったも同然と思っていた。まるで鯉のようにズッシリと、ゆっくりトルクのある引きは潜水艦のようだ!焦って強引にやり取りしたらバラシ兼ねないと思い、ノリさんと「ヤツが弱るまでゆっくりいきましょうか」という作戦をとることにした。10分ほどして、流石にヤツも疲れたのか?!だんだん下がってきた。そして開きの脇に寄って「ギラギラッ」と首を振り、ヒラを打った。至近距離で見るヤツの体高は分厚く、超特大だった。40センチはかるく越えている!推測だと、45センチはありそうだ!下がって来ても、下から僕が脅かすのでヤツはまた淵へ戻ったりの繰り返しを続けている。太陽の光が差し込んできて水面がギラギラして見難い、と思った矢先、僕の視線の外れから下へ下り出した!
 
  主の棲む淵
 

           ノリさん:「だめだ!切れるー!」


 気が付くとすでに竿と糸が一直線になっている!僕はやっと魚の居る位置に気ずき、タモを出して水面に着けた瞬間、”プツン”という糸の切れた感触の後にヤツはタモ網を交わして下の淵へ落ちていった。。。。。
 「うおーー!クッソーー!」 ダメだった…。呆然と立ちすくし、うなだれる僕にノリさんは、「ゴメン、かっちゃん!」と謝っている。何でだ?!謝らなければならないのはこっちなのに。何にしても2対1で負けてしまったのは事実。ゴールキーパー失格だ。0.3号のハリスであそこまで耐えてくれたノリさんに申し訳なかった。糸が切れるほんの2,3秒の間に見たヤツは僕の腕ほどあったことを鮮明に今でも覚えている。そして背中に無数の白点を散りばめたニッコウ岩魚の化け物だったことも。多分ヤツは今までも何人もの釣り人からこうして逃れて、大型化し続けているのだと思う。こんな小さな沢でどこまで大きくなれるのだろうか。チャンスがあれば、また更にデカく成長したヤツに勝負を挑みたい。
 この後、「バラしたけどイイ経験できたよ!」と平然と楽しそうに語るノリさんの器の大きさにも驚いた。僕がもし竿を握っていて、ノリさんがタモ入れで失敗したら責めていたかもしれない。


 ノリさん、スンマセンでした!大岩魚をガッチリ掴み上げた写真を記録に残すことができなくてm(_ _)m


ちびばっかり
 当分その場から離れることが出来なかった。この話題で当分酒のツマミになるでしょ、と心を換えて次へ進むと、前日降った雨に濡れた木が朝日を浴びて湯気が立ち幻想的でさっきの事を忘れさせてくれました。
 滝の上からは、良いポイントが現れてもチビあまごばかりで岩魚の気配がなくなった。あの滝が岩魚止めになっているようです。
 その後はチビちゃん達と戯れた後、沢の分岐点で竿を一度たたんで、もう一本沢を釣りに行くことにし、名残り惜しくもこの沢を後にしました。


 待っていろ〜化け物よ、また会いに来るから誰にも釣られず居ろよ!

第2章



サワガニ
最近ではあまり見かけなくなりました。


ブルーアマゴ?

小さいながらも水色に輝く背中が綺麗なあまご


これが親〜?

魚止めの滝

魚止めの滝

絶景だよ〜

切り株の上にデジカメを置いて、タイマーでカシャ!うまく撮れてるでしょ〜(^_^)v

 次の沢はノリさんがネットで調べて気になっていた、少し上の支流です。以前、僕も何度かその沢の下流には入ったことがあったので久しぶりに訪れてみることにしました。
 この沢も中流までは沢沿いに林道が走っていてお手軽に入渓できる沢です。途中、先行者とみられる車が停車していましたが、林道折り返し地点には車がなかったのでそこから入渓することにしました。
 釣り始めてしばらくすると、小さなアタリでチビアマゴが釣れてきた。今回前日の雨で大アマゴを期待してきたものの、釣れてくるのはチビばっかりです。
 次に現れたのは、いつもは引き返す3Mほどの滝でしたが、今回は踏み後が残っていたのでそれを辿って、落石にビクビクしながら無事に滝上に着いた。
 ここから上は未知の領域です。そして巨岩帯がしばらく続いた。大きな淵が現れたので丹念に探っていると「ツンツンッ」うおっ、どうやら魚はいるようです。ゆっくり食い込ませて合わせると、小さいながらも綺麗なアマゴが釣れてきました。背中が水色に透けるように輝いて、まさに渓の宝石といった感じで、めちゃくちゃキレイでした。これは血統なのか、きれいな環境によってこうした体色になるかはわかりませんが、こうした自然が残っているのがうれしいですね。
 これから先は、渓相もなだらかに安定して小さな落ち込みでも、これまた小さなアマゴ達が遊んでくれる。しかし、釣っては放し、釣っては放し…。
 「あれぇ?!デカイの釣れないねぇ?」 そう、キープサイズ(18センチ?)が釣れないのです。「親がいる筈だ」、と釣り上がりますが、やっぱりチビばかりなのです。
 ここで僕は気が付きました。今日は前日の雨で増水しているけど、普段の渇水時には水はチョロチョロで大きくなれないだけのことで、このアマゴ達は成魚だということでした。
 やがて水は少なくなり、沢が細くなってきたら、山肌にフェンス!?が!ノリさん曰く、これは鹿除けの策のようです。植林した木に苗を鹿達が食べてしまうそうです。こんなものがあるのならば道がある筈。竿を畳んでしばらく行くと、やはり道がありました。フェンス越しに上がると、ここの山の稜線でした。画像では伝わりませんが、中々イイ景色でした。「知らない間にこんなに登ったんだ!」 といった絶景に記念までしちゃいました(^_^)v
 林道まで這い上がり、車まで道を下る途中ウグイスの泣き声と山ツツジが春を感じさせてくれる。
 

渓宴会
 これを最後にしようと思いますが、またまたやってきてしまいました!日帰り渓宴会。
 今日は近場でありながら、骨酒のサイコーの出汁になる岩魚があるのです!食べ比べ?(漬け比べ)にキープしたアマゴを焼いて準備を整える。
 心を鬼にして、そのままの酒をノリさんに呑まれないように取り上げる。


          ノリさん:「うひっ!そんな殺生な〜」(>_<)


 こんがり焼き上がった岩魚をストーブで温めた酒を注ぐと、みるみるうちに琥珀色に染まりました。


       ノリさん:「んまい!!やっぱり骨酒は岩魚だよ!」


 何が違うのかはわからりませんが、岩魚だと旨味、出汁がアマゴに比べて格段に違うのです。
 時計を見ると、時間はもう16時を回っていた。なんて一日はこんなに早いんだろう、と思う今日このごろでした。


            歳をとるごとにと一日が早く感じるナ〜…


やまつつじ



 

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