赤石岳

2005年10月22、23日    

メンバーかっちゃん,スズキくん

 私とスズキ君が初めて南アルプスの渓に釣りで訪れたのが赤石沢でした。その頃にはまだ釣りをする事しか考えておらず、まさかこの沢の源頭に登ろうなどとは夢のまた夢でありました。
 いつの日か、牛首峠の間に高々と、そびえ立つ赤石岳に登ってみたい。ということで赤石岳登山計画が始まりました。
牛首峠から望む赤石岳
 今回のメンバーは、当初行く気満々だった!?N先生は仕事と風邪をひいて断念することとなり、昨年の上河内岳と同じく、私とスズキ君との二人だけで行くことになりました。
 釣りと同様に、睡眠不足解消に前夜から車を走らせ、畑薙ダムで仮眠し翌朝椹島(サワラジマ)登山口に向った。
- 9:10 登山口 -
 
いつも通りすがり見ていた登山口なのだが、これからここを登るとなると緊張が走る。
 鉄バシゴを登り赤石東尾根に取り付くと、いきなり桧の植林地を急登が始まった。これから高山に登るという不安とプレッシャーと緊張で体調がすぐれず、心臓はバクバクし、エンジンがかからない。たまらずに少し早めだが我らのスタミナ源のバナナをほおばった。
 やがてダケカンバの林になり、登りは緩やかになってはきたが巨岩や木の根が多く歩きにくい。かなり登っただろうか。しかしまだ下からチェーンソウで木を切る音がする・・・。まだ五分の一程度しかきていないようだ。腹が減ってきたので11:30、昼食をとることにした。
 昼食はカップうどん。腹が減っていて食欲もあるのだが、疲れと軽い高山病の為か胃が受け付けず、口元まで戻ってくるのだ。内臓機能が停止しているようです。


 1時間ほど登ったあたりだろうか、林の間から対岸に笊ケ岳が見える。辺りを見回せば荒川三山も真横に見え、ここまで来るとだいぶ高度を上げてきたという実感がある。
 シラベの林を進み登りがまた緩やかになってくると、登山道がなにやら赤くなってきました。赤石岳の登山道らしいラジオラリア道だ!だらだらと長いトラバース道を行くと、ようやく赤い屋根が見えてきました。
「やっと着いたぞ〜!、疲れた〜(xx)」
− 2:10 赤石小屋着 −

冬季小屋

赤石小屋
 新館は少し前に閉館したらしく、旧館の冬季小屋で寝泊りです。旧館の中の様子は思っていたよりもきれいで暖かく快適そうです。水を汲みに行きながら辺りを散策すると、見晴らし台があり、中々の良い展望です。目の前には明日の朝行く赤石岳がどっしりと構えていました。
 ここで飲料水と調理用の水を確保をしにいきました。水場までは5分ということ。上りならいいのだが逆で、下って汲んで上ってこなくてはならない。水場着くと、出ているには出ているが頼りない…。10Lのタンクを満タンにするにはどれくらいかかるだろうか…。しかも 「重い〜!」 背負えば少しは楽だったのに小ザックを忘れて手で吊り下げてきたのでたまったもんじゃない!また、どっと疲れが増してしまいました。

展望台より赤石岳

水場
 小屋に戻り、まだ夕食には早いので寒さ凌ぎにシュラフにもぐりこみ、少し睡眠をとることにした。1時間ほどだが、疲れていてよく寝られた。小屋の窓から赤石岳が見えるが、ガスが掛かり風も強く今にも雪が降りそうな天気です。 「明日は天気どうかなぁ」 と心配になります。
 夕食は登山恒例の生ラーメンを用意してきました。今回私は味噌、スズキ君は醤油味にしてみました。
 昔ながらの中華そばにピリ唐ソーセージのトッピングが食欲をそそり良く合う。
  食べてみると、「うっ、うま〜い!」冷えた体と心が温まる。
 昨年は物足りなかったので2人前用意したが、スープを入れすぎて腹がいっぱいでとても食べ切れませんでした。満腹になり、何もすることもないので明日の登山に備えて早めに18時就寝。

 時折スズキ君のお茶をすする音に目を覚ますとまだ20時、夜がすごく長い・・・。
 外はすごい風が吹き荒れている様子。気温もかなり下がっているようで、小屋の中でも汲んであったコップの水が凍ってしまうほどです。

調理風景

味噌味は正解だった
 なんとか寒さに耐えしのぎ、夜が明けた。スズキ君が用をたしに外に出ると、なんと吹雪いていて雪が積もっているという・・・。少し様子をみて天候が回復しないようなら引き返すしかありません。
 しかし7時半頃になると一気に晴れてきました!「行ける!今だ!」 遅い朝食をとり出発!
−8:00 赤石小屋発−

 赤石小屋を出発し、まずは富士見平に向った。道に雪が少々あるが、登山靴でも問題なく歩ける。いよいよ森林限界を越えて、ハイマツ帯になり富士見平峠に着きました。
 大井川を隔てた白峰南嶺の奥には富士山が堂々と構え、目指す赤石岳は朝日に映え、少しもっている雪がキラキラ輝いている。


富士見平より富士山
 富士見平より少し下ると道が険しくなり、もし踏み外せば谷底に真っ逆さまという感じです!注意しながら進むと赤石沢支流の北沢源流に出た。ここらになると崩壊も激しいらしく道も定かではなく、ペンキの矢印に沿って行くしかありません。3000M近くになると空気も薄いのか、すぐにへばってしまう。
 稜線のあと少しかというところで雪の中に鳥の足跡らしきものを発見しました。
 
 「これって雷鳥かなぁ?」 とスズキ君に尋ねると
 「ガサガサッ」 ・・・ん?
 「居たー!」 雷鳥だ!
 私達のすぐ横2mほどのところの居るのにまったく逃げる気配はありません。保護色でわかりにくかったが、もう一羽いました。雄、雌つがいみたいです。品の良いウズラと言ったとこだろうか、めちゃくちゃカワイイ。まさかここで彼らを見られるとは思わず感激です。あとで聞いた話だと中々ここらでは逢えないらしい。

雷鳥
 雷鳥達と別れ、あと少しで到達する稜線を目指した。富士山でも経験したがあと少しが長く感じる。
 先行していた私が道を間違えてしまい、スズキ君と道を入れ替わり、スズキ君はグングン登りきりあっという間に稜線に立っていた。「すごい!」まるでカモシカのようだ。私も乳酸の溜まった足をひきずり上げながらも稜線に着いた。
「すっげ〜!」
 昨年の上河内岳登頂の時と違い雲一つなく、下界の町並まではっきり見えます。しばらくみとれてしまいました。

下から稜線を見上げる

稜線から赤石岳
 しかし、西から吹いてくる風が冷たく強く、手袋を忘れた私は手先が痺れるように痛いので、走るように山頂に向った。こうなるとあまりの寒さに疲れも感じない。あと少し。標石がみえてきたぞ!
「やったー!着いたぞー!」
−11:00 赤石岳山頂−
 夢の赤石岳にとうとう登頂出来ました。なんか感動してジ〜ンときて涙が出てきました。
 3120M、南アルプスの盟主赤石岳。山頂には日本一高い一等三角点の標石が埋設されていた。
 まずは記念写真を二人で撮りまくった。愛煙家のスズキ君は3000M越えでの一服に満足そうです。しかも雲一つない快晴である。東は山梨県、西は長野県の町並が見え、南は伊豆半島、御前崎まで見えるすばらしい絶景でした。

富士山と笊ケ岳
 まだゆっくりしていたいところでしたが、出発が遅かったため時間ないので後ろ髪を引かれる思いで赤石岳を後にする。これから長い椹島までの急降下が待っている。途中また同じところで雷鳥達に出会えました。
−赤石小屋着 13:00−13:45発−
 遅い昼食をとり小屋を後にしました。ここからが長くつらい下りなのだ。だんだん膝がしくし痛んでくる(xx)。
「ここのカーブを越えればあと少しだよ」と励まし合い、やっとのことで椹島に着きました。
−椹島着 16:20−
 雪に降られ時期的につらい登山になってしまいましたが、二人共怪我も遭難もなく帰ってこれたのがなによりのことでした。来年はまた花の咲く季節に訪れたいと思います。



 

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