エメラルドグリーン
2007年6月23,24日  天気:一日目【晴れ晴れ
二日目【雨


山行メンバー:【ノリさん,スズキくん,かっちゃん】

写真提供:ノリさん,スズキくん
 

 前回の山歩きから2年が経とうとしていた。『山行記』などと、HPリニューアル時に開設したものの、キツイ、ツライ、アツイ、サムイ、といった大嫌いな我がヘチガラスメンバーには多少無理がある項目だったのかもしれない。
 しかし、朗報が飛び込んできました。地元釣り仲間の間で騒がれている幻の山菜が、ここ静岡県でも採れるということだった。ただ山に登るだけではつまらないのはわかっている。おまけに釣りまでできちゃうっていうのがミソ。そこでメンバーの中でも体力に自信アリ?!の3人で早速計画をたてることにした。お互いの都合を合わせた結果、梅雨真っ只中の6月第4土日と決まった。天気予報は土曜日が晴れで、日曜日は雨模様ということ。金曜日の夜の時点ではドシャ降り…。半分諦めモードで出発する。前日、同行することになったノリさんに明日の話をメールで送るが、返ってくる返事はすべて下向き↓↓ばかりであった。この雨ではテンションが下がるのも無理はない。朝の時点で雨が降っていたら中止にして、近くの沢でアマゴと戯れて来よう、といった感じで気を楽に持つことにした。
 行く行かないは別にして,、翌朝4時に集合すると雨は上がっていました。とりあえず決行として買い物(食料)を24時間営業のスーパーで済ませ、南アルプスを目指す。 2時間半の道のりは期待と不安でいつもよりも短く感じた。車止めに着く頃には快晴!
 今回は峠越えをせずに、車止めから登山口までは自転車で詰めて時間を短縮する予定である。ゲート前を通ると、これから歩いて峠越えをして同じ山に登ると思われる人達がいた。僕達は自転車でお先に登山口まで走らせる。しかしこの計画だと登山口に着く前に、大井川本流を渡らなくてはならない。そして川を前にしてビックリ!前日の雨の影響か?!はたまた上流で放水しているのか?果たしてこんな激流を渡れるのか心配になる。
 ざっと見渡した感じだと何とか渡れそうだったので川へ降りてみる。だめなら戻って峠越えをして行くしかないのだ。靴を脱いで素足で深さを測りながら恐る々川を渡る。「うおー!あーたたた、いーててて、、、」足の裏が異常に痛い!15sの荷物をかついでいるので足の裏に石がくい込む!スズキくんはそうでもないようだが、酒の飲み過ぎで内臓の弱っているノリさんと僕には激痛が走った(>_<)足つぼマッサージをうけながら、何とか本流を1時間以上かけて渡ることができた。時間掛かりすぎた〜!
               反省…
 早速ヘチガラスのスタミナ源となるバナナを食らうヘッポコ登山家達。沢を渡り、登山口を目指す。

 登山口に着いた頃には陽が高くなってしまった。時計係のノリさんに時間を聞いてみる。

           「今何時〜?」

          「もう10時だよ…」
 8時に出発していたのに登山道に入る頃にはなんと10時を周ってしまっていた。足ツボを刺激して気分も身体もスッキリしたところで登山道を登る。
 しばらく登山道を行くと、先行していた登山者3人(男性2人、女性1人、40代半ば)に出会う。よ〜く見てみると、ゲート前にいた連中でした。彼等は歩いて峠を越えて来たというのに我々の前にいたのだ!すごい快速だ!ん?待てよ?違うぞ、僕等は自転車で距離と時間をを稼いでいたつもりだったが、本流を渡るのにだいぶタイムロスしていたようだ。なんともマヌケなヘチガラスメンバーであった…。
 それにしても暑い!前日の雨もあってか、蒸し暑い!こんなんで登頂できるのだろうか?
 噴き出す汗を拭いながら最初の小屋に着いた。先ほど会った”藤枝山岳会”と名のる方々に写真を撮ってもらった。一人は決して若いとは言えないが(失礼)女性がいるだけで華があります♪


     写真撮ってくれてありがとうございました!
 藤枝山岳会の面々に「追い抜いていってもいいですよ!」と挑戦状をたたきつけながら急な登り坂を進む。彼等もまた同じ目的でこの山に入ってきている。先に行かねばみんな採られてしまう…。というわけでもないが、どんどん離されていく。向こうは専属登山家、杖なしででもぐんぐん登って行ってしまう。敵うわけがない。しかし暑いぞー!夏の登山がこんなにも過酷だとは思いもよらなかった。
 噴き出す汗を拭いながらやっとのことで中の段に到着した。ここで先に着いてのんびりと休憩していた藤枝山岳会を追い抜き先に出る。が、またすぐに追いつかれる…。
富士山10回登頂、北岳3回登頂の経験があるイケイケのノリさんもサスガに目がうつろ。
 春蝉の鳴き声が賑やかい。
 
 12時半、横窪沢到着。昼飯にカップラーメンを食らい、水場でポカリを作って水分補給をする。
 小休止していると、ノリさんが「よし!行くぞ!」

         僕ら: 「行くって何処へ?」

        ノリさん: 「釣りだよ、釣りぃ!」

       ノリさんの手には渓流竿が…。

        僕ら: 「い、行くんですか? 」

 ノリさん:「何言ってる!釣りに来たんだろうが!」
  
 ノリさんは登山、山菜よりも釣りをメインにここまで来ていたらしい…。
 今回調子の出ないスズキくんを残して、そして僕も重い腰を上げて竿を振ることにした。
 上へノリさんが攻めて、下へ僕が攻める。流石に超源流とあって流れは速く沢は狭い。それでもちょっとした落ち込みに毛鉤を振ると、「ボコン!」キター!!20cmチョットの綺麗なニッコウ系岩魚でした。これは今晩のおかずにキープする。僕はこんなことをいつまでもしている時間はないと思い、待っているスズキくんの元へ戻るがノリさんはまだ帰ってきていないようだ。笛を鳴らして促すと物足りなそうな顔をして戻ってきた。ノリさんの釣果は20cmほどの岩魚一本だったが、バッタの餌で尺上の岩魚をバラシたということでした。2匹の岩魚を晩飯のおかずにキープして先を急いだ。
 ここから先が本番の登りとなる。永遠と続くジグザグの登山道を行く。横窪小屋で小休止してからどうも僕は調子が出なくなった。2,30歩進むと膝に乳酸が終結し、足が上がらない。その反面、念願の釣りを出来たノリさんはパワーアップして、僕をあおりまくる。「全然心臓なんかドキドキしないよ!初めて寝た娘との方がドキドキするかな!」…。1900m、と掲げられている標高を示す看板が見えるころには春蝉の鳴き声もなくなり、後少しだ〜!
 2300mくらいまで来ただろうか、高山植物が顔を出す。
 
ゼンマイに似た山菜やウドを採集するノリさん。 何て花だろう?
 小屋付近に来ると、怪しげな草が生えている。もしやこれが行者かぁ?でもネットで見る行者ニンニクとは何か違う気がする。そして、ここに来る数日まえに寸又さんから行者モドキみたいなのがあるから注意!と聞いていたので採集せずに様子を見ながら先に進む。僕は行者ニンニクは見たことも食べたこともないのでこういった物を食べたりして中毒をおこしたら大変である。
聞いておいてよかった!

 ※バイケイソウと言って毒性があり危険。
 しばらく行くと茶臼小屋が見えてきた。3年ぶりに見る茶臼小屋を前に懐かしく思う。前回来たのは紅葉の秋だった。前回の恐々しいイメージとはうって変わって、夏の山は緑がきれいで実に気持ちがイイ♪
 小屋まであと少しというところで、先ほどの草とは何処となし違う草が道の脇に群生している。今度こそこれか!と葉っぱを一枚採って匂いを嗅いでみる。のりさんが、「どう?」 しかし自分の汗臭さで鼻がよく効かない…では、かじってみる。「ん?んんー!?」何となくニラのような風味がするが僕には確信がもてないので、スズキくんとノリさんにも味見してもらう。しばらく沈黙したが 「うん!そうだよ!これだよ!間違いないよ!」思っていたよりも葉が垂れ下がっていて解らなかったが本物の行者ニンニクであった。
 よくよく見れば葉の立った新芽もそこらじゅうに生えていた。ミルイ(柔らかい)葉っぱを生でムシャムシャ食べながら(少し辛い)茶臼小屋へ到着。
 行者ニンニクは後にして、とりあえず小屋に着いて一服する。ここまで来るとさすがに涼しい。僕らが釣りをしている間に先発していた藤枝山岳会の方々はとっくに到着している。そして、天ぷら、そうめんなどですでに宴会モードに突入していた。
  「あなた方もテンプラいかがですか〜♪」の女性登山家の誘いかけに「茶臼岳まで行ってきます」と首を振り、美味しそうな匂いに後ろ髪を引かれながら稜線を目指す。明日の朝早くに下山をしなくてはならない僕達は天気の良い今日うちに茶臼岳にいかなければならなかった。
 鼻腔に美味しそうな行者ニンニクのテンプラの臭いをを残しながら、ハイマツに囲まれた登山道を稜線めがけて進む。ガスが時々切れて晴れ間が見えます。稜線直下まで辺り一面ハイマツのジュウタンといった感じだ。ここでも行者ニンニクの若葉が道端に生えていたのでツマミ食いするが、生食では少々胸焼けがする(>_<)
 稜線に到着!先ほどまでは晴れていたのにガスが掛かってしまった!前に来た時は、ここから南アルプスの山々を一望できたのに残念!でも、またここに立てたのがうれしい。何度来てもこの感動は味わえる!

 さあ、ここからは茶臼岳山頂を目指す。道端には見たこともない高山植物が花を咲かせています。
 「ホ〜ホケキョ!」???空耳かな。しかしもう一度「ホ〜ホケキョ!」う、うぐいすが稜線に?!姿は見えなかったが2度も鳴いているので居ることは確かのようだ。あとは前来た時に会えなかった雷鳥を一目見ようと、キョロキョロ探しながら道を進む。
ぜんぶ何という花か名前はわからないですが、この過酷な条件の中で咲く花は何か印象深い。
岩に囲まれた茶臼岳山頂にやっとのことで到着〜\(^o^)/
2604M!
やったぜ〜!!
登頂した喜びを皆それぞれ写真に残す。
ノリさんポーズ決まってるぜ!
みんなよく頑張った!ここまで付き合ってくれてありがとう!
空気が薄いのか?!少し歩くだけでハアハアしてしまう。 マッタリとしている間もなく足早に小屋まで下山する。途中、ホシガラスと思われる我等、カラスの仲間に会ったが飛び去ってしまい画像に納めることができなかった。
何か画像に納めたいと思っていると、、、。
それから稜線近くまで下ると雷鳥が!!
イターー!!
もう冬毛は抜け落ちて、夏毛の保護色になっている。
画像に納めようと必死に追いかける!
「カシャ!」



う〜ん、いまいちわからないか。
もう一回近づいて「カシャ!」



シルエットは捕らえた!
ガスが濃くなってきてしまった。
もう少し近づきたいが一定の距離をおいて逃げてしまう。
なので後ろ姿になってしまう。
横向きを撮りたい。
3人で囲んで「カシャ!」



よし!横を向いたぞ!
「カシャ!」
よ〜し、今度はうまく撮れたかな?
画像を確認する。
ん?の、ノリーー!!
デジカメを構えるノリ兄貴まで写してしまった…。
しかもガスが濃くて霞んでしまっている…。



結局のところスズキくんの撮った写真がいちばんマシだったので拝借。
赤石岳でも雷鳥に出会えたし僕達はツイてる。
っていうか、たくさんいるだけなのかな?

 雷鳥と別れを告げて小屋まで戻る時に写した写真は、疲れもピークを越えて2人の表情は少々硬い。作り笑顔のノリさんは何かカワイイ(^_^;)
 ハイマツ帯を抜けて、小屋に戻るころには陽が落ちようとしていた。先発隊の人達はすでに食事を終えていて後は寝るだけのようだ。我々も暗くなる前に今晩のツマミにする行者ニンニクを収穫に行く。雑草のごとく生えているが貴重な山菜。”来年も俺達に”と丁寧に優しく採集する。
 ※ナイフで一枚の芯の葉だけは残して優しく採るらしい。
無事念願の行者ニンニクを採集できた。
で、とりあえずはカンパ〜イ!
お酒を飲めないスズキくんはポカリで。
酒類をここまで担ぎ上げてくれたノリさんご苦労さん!
 料理に関してはまったくの素人の僕達だが、テンプラに挑戦してみる。火力が強かったのか水分が多いのか、油が飛ぶは飛ぶ!辺り一面油まみれになってしまった(>_<)
 
下の沢で釣った岩魚もテンプラにしてみると
マイウ〜!塩味がGood!
ここで岩魚を食べられるとは思わなかったので感動!
せっせとテンプラを揚げてくれるノリさんに感謝。
ビールとサイコーに合う!
テンション高まる僕とノリさんをよそに
スズキくんは生行者がアタったようでグロッキー状態に…。
まだ茹だっていない水状態の鍋に麺を入れている。
脳まで麻痺してしまったようだ…。
後で聞いた話、生ではアクが強いようで普通は食べてはいけないようです。
ガラスの胃を持つスズキくん。
一方、行者ニンニクを30枚ほどつまみ食いしてもケロッとしているノリさん。
彼もまた、酒で麻痺してるのでしょう(^_^;)
ここで一足先にスズキくんはお休みとなりました。

繊細な?!僕も少し胸焼けがするが、行者ラーメンを作ってみる。
茹でる時に蒸発するニンニク臭が目にしみる。
でも食欲をそそる匂いだ。
そして出来上がり〜(^o^)/
こ、これが”病みつき間違いナシ”と言われる行者ラーメンかぁ(~o~)
うま過ぎる!感無量!

この後さすがに僕もビールと酒が効いてきた。
ここで1リットルの酒ではぜんぜん物足りないノリさんに差し入れが!
それは藤枝山岳会の大酒豪、本田氏。
芋焼酎の瓶をノリさんの前にちらつかせて
「ヤリますか♪」とアオる。
ノリさん:「う、うん!」
始まってしまいましたノリさんのウンチク劇場が!
しかし負けてはいない本田氏!
そこは、トリビアの泉と化していた!
ここは標高約2400M。夜はかなり冷える。
僕はここらで失礼する。

その後の2人は、登山ではあり得ない午前0時まで呑んでいたそうな…。

翌朝、良く寝たスズキくんに「朝日が綺麗だよ! 」と起こされる。
3年前の朝焼けを遥かに凌ぐ絶景に目が覚める。
前日、この絶景を見たいが為にここまで頑張って来た甲斐がある。


来年もまた来ようじゃないか!

※帰りの事はあえて書かないことにします。

スズキくんの山行記へ

山をナメてはいけませんね。
安全第一です!




 

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